mineoが実施しはじめた通信の最適化についてあれこれ思うこと

BBB日記

mineoがいわゆる「通信の最適化」を実施しはじめたようです。

私がmineo関係の通信について少し関心を持ち始めたのは以下の格安SIMの管理人さんの呟きからです。

最初に見たのが上の発言で、次に見たのがこちらの発言

で、通信の最適化と帯域制御を混同して受け取って、mineoは負荷の掛かりそうなところの通信を絞ってSNSやwebの閲覧などの速度を確保しようとしているんだなと捉え、さほど問題視していませんでした。

が、この帯域制御と通信の最適化は全然別物だということを知り、少し調べてみました。

帯域制御というのは、主に回線速度を絞ることで、例えばこれは実感でしかありませんが、以前mineoはGooglePlayとの通信に帯域制限をかけていたようで、アプリのダウンロードなどが全然出来ない、というような状態になっていた時期がありました。
現在は動画サイトなどに対しても帯域制限がかけられているようで、大画面高解像度でyoutubeなどを見ているとあまり速度が出ない、なんてことがあるようです。

一方、通信の最適化というのは、回線の負荷を多くを占めているであろう画像や動画のファイルに対し、不可逆圧縮を加える事で通信量を減らし、回線不可を軽減する事を言います。
不可逆圧縮ってなんだって話ですが、戻せない圧縮の事で、つまりは画像や動画を荒くしてサイズを軽くすることです。
mineoはこの通信の最適化を、回線混雑時にもれなく実施しているそうです。
つまり、混雑時にmineo回線で見ると画像や動画が汚くなる、という事です。

これに関して個人的にはいくつか問題だと思ったことを書きます。

■この時期に、事前通知なしに実施してしまっていること

まずこれだけ大きく炎上してしまっている理由は、漫画村騒動に絡んだDNSブロッキングで通信の秘密についてSNSの一部が紛糾しており燃え盛っているさなかに、ユーザーに事前通知なしにこんな事を実施してしまった、というのが挙げられます。

これでかなりユーザーの反感を買いました。

規約には確かに通信混雑時には通信の最適化を行いますと記載されているのですが、これまでされていませんでした。それが急に、何の告知もなく実施され、大炎上しています。

さらに言うと、多分GWで通信量が爆発的に上がる前に対処したかったんだろうとは思うのですが、GW前に実施してしまったことで、実施後すぐ連休に入っちゃって炎上しても会社お休みでろくな対応できないで炎上後もろくに正式発表が無い。
なんというか、実施の仕方も、タイミングも、その後の対応もことごとく最悪ですね。

■解除の方法がない

この通信の最適化ですが、実はdocomo、au、softbankなども実施しています。(softbankは今は実施していない)mineoと違うのはこれらの最適化は解除を申し出れば解除できるという点です。
mineoは2018年5月6日の時点では解除の方法がありません。


解除方法がないという点がまたこの騒動の火に油を注いでいると思います。

■規約に書いていたらいいのか問題

規約に書いているんだから仕方ないだろうという意見も出てきそうですが、話はそう簡単ではなく、通信の最適化は通信の秘密を侵害しているため、行うべきではないという意見もあります。
通信の秘密とは、日本国憲法21条2項において「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」と定められており、つまり個人の通信の中を覗いてアレコレしては駄目ですよ、と定めています。

つまり、通信の中身を覗いてあれこれしては駄目、というのであれば通信の最適化も帯域制御も違法である、という話になり、規約に書いているからOKというのは無理筋という話になります。(帯域制御は行き先を見て処理を行っている、最適化は特定のファイルに対して圧縮を行うなど、通信の中身を見てアレコレしているから)
この通信の秘密って結構厳しくて、人手を介在しない機械的な振り分け処理でもNGだったりします。

しかしながら犯罪捜査のためであれば問題なかったり「正当業務行為」であれば問題ないとされていたり(通信の最適化が正当業務かどうかは議論の余地あり)、個別に了解を取ればOKだったりと抜け穴も用意されているんですよね。(個別に了解を撮る場合規約に書いてありますでは駄目で、あくまで個別に申し込みを受け付けるなどが必要)

そのため、一見すると通信の秘密を侵害していそうな「カウントフリー」(SNSやLINEといった特定サービスへの通信のパケットをカウントしない)については、事前に各人に対し契約を実施しているためOKという判断になるようです。

しかしながら帯域制御や通信の最適化については、個別に申し込みなどは受けていないため、それが「正当な業務」にあたるのかどうかがポイントになりそうです。

docomoやauはこれらの行為を混雑を緩和し回線を健全に保つための正当な業務であると言っています。

しかし本当にそうなのかは司法の判断が出るまでは断言できませんね。

■https通信に関しては帯域制御を行っている

通信の最適化は通信の中身を見て、画像ファイルなどを圧縮します。つまり暗号化された通信であるhttps通信では通信の最適化は行われません。
しかしながらmineoはこのhttps通信については1Mbps程度の速度しか出ないように帯域制御を行っています。

つまり回避策無し、という事です。

■総論

個人的には、通常の帯域制御に関してはさほど問題視していなかったりします。
スマホで使うにあたって支障のない程度に通信を絞ってうまく限りある回線の負荷をコントロールしてくれたらいいと思っています。

しかしながら、通信の最適化に関しては、撮影した写真を人に送ったり、サイトにアップしたりする際などに劣化してしまうのであればこれは結構困りものだったりします。
せめて今制限中かどうか、mineoアプリから手軽に確認できたらいいんですけどね。

また、それとは別にお金払ってパケットを買っている身からすると、なぜ自分が買ったパケット数の範囲内で満足な通信をさせてもらえないのか、という不満もあります。
いずれにせよ、GW開けてmineoから何か正式に発表があるだろうと思っているのでそれ待ちですね。それが納得行かないものであればIIJにでも移ります。

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