海外のニュースを見ていると、主に決算系のニュースでBlackBerry MobileとBlackBerry Limitedの二種類の名前が出てくるケースがあり、どう違うんだろうと思って調べてみました。
すると実は二つは全く別物ということがわかったので書いておきます。
■BlackBerry Limited
元Research In Motion、カナダに本社があるいわゆるBlackBerryという会社。
かつてBlackBerry端末でスマートフォン市場の大きなシェアを占めていたが、iPhone発売、Android発売以降順調にシェアを奪われ続け端末会社としては凋落、サムスン、レノボ、MSと何度も買収の噂も出たが実現せず、買収の噂が出るたびに株価が上がるので、噂自体が株価操作の目的ではないかと言われたりも。
■BlackBerry Mobile
Blackberry Mobileは、インドネシア、インド、バングラデシュ、スリランカ、ネパールを除くすべての世界市場でBlackBerryブランドのデバイスを販売するためにTCL Communicationが使用する取引名の事。
つまりBlackBerry MobileとはTCLが持っている商標の事です。
■端末製造の変遷
端末製造に関する移り変わりですが…
2015年に発売されたBlackBerry PrivはBlackBerry Limitedが設計してBlackBerry Limitedが製造した最後のBlackBerry端末。
2016年には端末の製造をTCLに委託しており、その年発売されたBlackBerry DTek50と60はBlackBerry LimitedとTCLが共同開発してBlackBerry Limitedが販売した端末。
2017年BlackBerry KEYoneはBlackBerry Limitedが設計してTCLが製造し、BlackBerry Mobileが販売した最初の端末となっています。
契約の内容からするとTCLが設計、製造、販売することになっているので、次の端末あたりからはTCLが設計、製造を行い、BlackBerry Mobileとして販売されるのかなという感じです。
■業績などについて
BlackBerry LimitedはMike LazaridisとJim Balsillieの二人がCEOを努めた時期(2012年まで)とThorsten HeinsがCEOを努めた時期(2013年まで)とJohn ChenがCEOを努めている現在までの3つの時期に大別されます。
二人がCEOを努めている時期に業績が悪化し始め、CEOがHeinsに変わるも回復せず、John Chenに変わってから自動運転系のシステムやスマートフォンのセキュリティ関係の会社としてシェアを伸ばすがハード部門の赤字が足を引っ張りなかなか黒字化せず。
しかしながら近年赤字部門であったハードウェアの製造をライセンス契約で外部に委託し、切り離したことでかなり持ち直しつつあるようです。
BlackBerry Mobileは赤字部門だった端末の設計、製造、販売を受け持っているわけですが、売上はそれほど振るわず、なかなか厳しいらしいというニュースをよく耳にします。
BlackBerry本体は好調ながら、QWERTY端末ユーザーが注目しておかなければならないのはBlackBerry Mobileの方で、そちらは相変わらず厳しいという事ですね。
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