先日部屋を掃除していたら、懐かしい物が出てきたので、このあたりで自分の歴史についても振り返っています。
私がQWERTY搭載のストレート端末にのめり込むきっかけとなったのがこのTreo700wです。
これはPalmの作ったストレートQWERTY端末で、WindowsMobileを搭載しています。
別段これがPalm初のストレートQWERTY端末というわけでもなく、Palm自身はこれまでにもTungstenC、Treo90、Treo650など、PalmOS搭載のストレートQWERTYキーボード搭載の端末は発売していましたし、また私自身にしてもこれが初のストレートQWERTY端末というわけではなく、TungstenCやTreo650に関してはかつて購入したことがありました。
その少し前のPDAといわれる電子手帳の進化系のようなガジェットの中でも、iPAQやjornadaという端末においては、外付けのQWERTYキーが周辺機器として発売されており、合体の結果としてではありますが、ストレートQWERTYモドキのWindowsMobile端末というものは世に出回っていました。
また、私が知らないだけで、世の中にはこれ以前にストレートQWERTY搭載のWindowsMobile端末というものが出回っていたのかもしれません。
しかしながら、TungstenCやTreo650は確かに素晴らしかったものの、門外漢のPalmOS搭載機だったため世間に出回っている日本語化のTipsを利用して日本語入力を可能にしてただ使うだけでしたし、外付け後付のたぐいのキーボードは、取り出し、取り付け、認識と実際の文字入力までにいくつも超えるべきハードルがあり、また常時搭載していると大きくて邪魔になるというジレンマがあり、結局使わなくなるという繰り返しでした。
一方このTreo700wは厚みこそ半端ないものですが…
サイズはかなりコンパクトで、それでいてQWERTYキーボードを備え、OSは慣れ親しんだWindowsMobileという夢のような構成で、当時アメリカのノースカロライナ州に在住(設定?)かつ別の名前で活動中だった私は友人たちとこぞって端末を取り寄せ、夢中になって日本語化の方法を探り、日本語入力の方法を探り、データ通信の方法を試行錯誤して、その情報をブログで発信していました。
日本語化?日本語入力の方法?と聞き慣れない言葉が出てきたと思いますが、当時のWindowsMobileにしてもPalmOSにしてもOS自身がデフォルトではマルチ言語に対応しておらず、ターゲットとされる国の言語にだけ対応して発売されることが殆どで、アメリカで売っている端末を買って日本に持ってきた場合、日本語化という手順を踏まないと日本語の入力も、表示も出来ないというなんとも厳しい時代でした。(もちろん電波法的にもNG)
PalmはソニーがCLIEという端末を日本で発売するまでは日本という国があることすら知らなかったんじゃないかと思われるほど日本語が意識されておらず、日本語化には日本の有志が作成した日本語化プログラムという物を利用することでそれを実現していました。(あくまでも別OSをメインで使っていたものが外から見た感想です、もしかしたらバイザーなどの一部の端末では日本語化された端末が売られていたのかもしれませんが知りません)
一見不便そうですが、逆にその日本語化プログラムを使えば日本語化出来るということで手段が確立されていたともいえます。
一方、WindowsMobileに関しては一部の端末が日本で展開されていたため、日本語使いたければそちらを使えばいい、というような風潮で日本語化の方法が確立されておらず、日本語化の方法などは有志のブログに断片的に書かれているだけで、それを見つけては試していくという試練の日々でした。
日本語化というと日本語入力が出来たら良いんじゃないの?と思われる人がいるかもしれませんが、例えば¥のような記号であったり、句読点であったり、そもそもの日本語表示であったりとOS側で対応してもらう必要があることって結構多いんですよね。
日本語対応のフォントを入れたり、nlsファイルを書き換えたり、Atokを入れてなおかつ一部の設定ファイルを書き換えたりという一連の方法をブログにまとめて、誰でも簡単に日本語化して使えるように情報を発信していました。
さらにデータ通信に関しても関門があり、当時Treoなどの海外産スマホでは周波数帯の異なる日本では通信を行う術がなかったんですよね。
そこで多くの有志はBluetooth搭載のガラケーにvodafoneのデータ通信専用のSIMを入れ、それにBluetoothでダイアルアップするという方法を、妄想して楽しんでいました。(実際やるのはNGです)
ところがTreo700wはこのダイアルアップが繋がると即切断されるという問題を抱えており、そちらをレジストリ解析して解決したりとかしていました。
また、KTPocketlaunchというキーボードからアプリを起動するのに適したランチャーアプリの開発を、アプリ作家さんに依頼したりもしましたね。(KOTETUさんその節はおせわになりました…)
ちなみにこちらがそのTreoのキーボード。
当時は丸いツブツブキーボードが主流で、これが最高に打ちやすいと思っていました。
長く使っていると指が痛くなりますし、今改めて使ってみるとクリック感も浅く65点ぐらいの出来なのですが、当時は100点満点の出来だと思ってずっと使っていました。
使っていると700wはメモリが足りなくて満足にアプリも入れられない状態で、その後発売された700wxというメモリ増量外側そのままというモデルにも飛びついて購入しました。
写真は700wxになりますね。
いずれにせよ、QWERTY端末をあれこれ試行錯誤しながら活用するという、私のルーツとも言える端末がこれになります。
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