ここ数日twitterでぶつぶつと呟いていたことをまとめておきます。
あくまで私の個人的な思いです。
物理キーボードはスマホの進化の過程で切り捨てられたものであり、それを補うためにフリック入力であるとか、フリック入力っぽい何かであるとか、色々と登場してそれなりの入力環境を担保しています。
また、昨今個人でのblogでの情報発信という手段は廃れつつあり、多くの利用者はSNSなどで単文の発信が主流になったため、多くの人には上記の入力手段で十分だったりします。
最近の学生はデスクトップPCを使ったことがない人などもいるらしく、それで十分であれば今後そういうキーボードに執着しない世代はどんどん増えてくることも予想されます。
つまり、今後キーボード付き端末が復権してまたブームになる、なんてことは起こらないということです。
今縦型キーボード付き端末を市場に投入してくれそうな会社は2社しかなく、1社はTCLからBlackBerry端末を引き継いだonwardmobilityで、もう1社はtitanを発売したUnihertzです。
onwardmobilityがBlackBerryの製造を引き継いでくれることは非常にありがたいことなのですが、彼らの目指しているセキュアなキーボード付き端末が必要とされるビジネスシーン向け高級機、という方向性にはかなりの危うさ、徳川埋蔵金を探す糸井重里のような危うさを感じます。
キーボード付き端末の需要というのはほぼキーボード付き端末を使いたいという好事家の需要であり、ビジネスユースやセキュアといった彼らが夢見ている市場はその下には埋まっていないと思います。
何故ならその市場はかねてからBlackBerry社が狙って掘っていた市場であり、その後TCL社も掘り進め、結局そんな需要がほとんどなかったため、BlackBerry社はスマホ市場から退場し、TCL社はBlackBerryブランドを手放したわけですから。
確かにセキュアな端末という需要はあるのかもしれませんが、それがキーボード付きである必要なんかありませんし、世のビジネスマンは長文を打つ必要があればすでに十分コンパクトになり、鞄に入れてもあまり負担にならなくなったノートパソコンを使うでしょう。
なので、キーボード付き端末を販売して商売にしていきたいのであれば、キーボードが好きな好事家を相手にするのが正解であり、端末をそちらの方にブラッシュアップして行くのが正しい進化の方向だと思っています。
個人的にカメラの改良については賛成ですが、セキュアな端末を実現するためにコストをかけるのは無駄だと思います。
ただ、FOXXCONと組んで作るということでハード的にはかなり良いものを作りそうです。
向かっている方向性という意味ではUnihertzが正しいと感じます。
クラウドファウンディングで一定数の需要を前もってつかんでおいて、その層に向けてキーボード付き端末を作ってリリースする。
今後キーボード端末が世に出てくる可能性があるとすれば、こういう小規模な市場を狙って利益化できるビジネスモデルが正解だと思います。
ただ、UnihertzにはストレートタイプのQWERTYキーボードを作るノウハウがあまりないように感じられ、まだまだクオリティの高い端末のリリースは難しいように思います。
たとえばこちらが今回発売される予定の端末のティーザー画像ですが。
正直3列配置って省スペース化にはいいんでしょうが、キー入力の観点から結構厳しいんですよね。
たぶんこの配置だとZキーはものすごく頻繁に「押したつもりが押せてない」という物理的な取りこぼしが発生するんじゃないかなぁと予想します。
親指で押すという文字入力の性質上、指の可動範囲の都合などからキーボードの下側にはある程度のスペースが必要なんですよね。
親指入力のキーボードの配置という意味では、4列配置のKEY2あたりの配置が非常に理想的だと思っていますし、小型化を標榜するとしても、その辺りは妥協してはいけない部分だと思います。
とりあえずonwardmobilityがおかしな夢を捨てるか、BlackBerry社がキーボード周りのノウハウと特許だけ安価にパートナー契約で世に出して、Unihertzがそれに乗っかるか何かしてくれないかなぁと、日々妄想しています。
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