Appleが発表した「スマートフォンのアンテナ性能」について

9700

アップルが自社のiPhone4のアンテナ問題(左手でiPhone4を持つと電波の感度が悪くなる)を受けて、他社のスマートフォンもどうようの事象が起こるとして発表を行った。

その後日本語のページもリリースされたため、再度この問題について記述しておこう。

アップル – スマートフォンのアンテナ性能電波の減衰と損失について。
増幅とは反対に、減衰は電波が妨げられた時に発生します。これは、テレビ、ラジオ、GPS、携帯通信用アンテナを含む、すべてのアンテナで起こりうる現象です。ほとんどのアンテナにとって、人間の手の密度と組成は、他の素材よりも減衰の原因になりやすいと考えられます。携帯電話の場合、一般的には、アンテナの最も敏感な部分を手でさえぎった時に電波の損失が発生します。ここでご紹介する写真とビデオは、iPhone 4とiPhone 3GSを含む複数の携帯電話で、どのような握り方をすると電波の減衰が起こるかを検証したものです。

ここでAppleはBlackBerryBold9700について以下のような握り方をすると、電波が減衰する可能性があると発表した。
Apple発表の動画を見るとこのように握ったところ見る見るうちに電波が減衰していった。

では、はたして本当のところはどうなのか、実際にテストしてみた。

こちらが指先だけで軽く握ったところ。
アンテナは5本だ。

 

写真と同じように本体の向かって左側を手のひらでさえぎるようにして持ったところ。
若干写真がぶれてはいるが、アンテナは5本。電波の減衰はまったく見られない。

 

上記のテストを様々な場所で行ってみたが、握り方によって電波の減衰などは確認できなかった。
Appleの資料も「電波の弱い場所では」「減衰させる可能性があります」などと非常にあやふやな記述になっている。

また、iPhone4のプレスカンファレンスにおいてもジョブズ自身が以下のような受け答えを行っている。

Q:いまBlackBerry Boldを持っているが、映像で見せられたようなアンテナ減は再現できない。どうやって持ったらできるの?
ジョブズ:発生するかどうかは場所による。

以上のことから、Appleの行った上記発表は「非常に特異な状況下で発生する可能性がある現象」だといえるだろう。

iPhone4のアンテナ減衰問題も同様に、非常に特異な状況下で発生する問題なのだろうか?

ちなみにRIMはAppleのこのような発表をうけ「RIMはAppleのiPhone 4で使われたようなデザインは避け、電波に問題が出ないように気をつけてきた。」「BlackBerryは電波品質の維持にケースなど必要としない。」と公式に否定している。

そしてもうひとつ記述しておくと、BlackBerryBold9700はiPhone4より以前から販売されているが、iPhone4のように電波の減衰は問題になっていない。

今回のAppleのこの姿勢は他社携帯メーカーのみならず、既存のユーザーのことも馬鹿にした、非常に非誠実なものであるといえるだろう。

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